ナナメヨミBlog

旧ナナメヨミ日記。Blogに移行しました。

日本政治・経済の閉塞状況、「維新の会」で打開できるのか?

私は大阪府下に在住し、職場は大阪市内にある。ちかごろ、政治が話題にのぼるとそれは「維新の会」への期待であったり、反発であったり、ともかく「維新の会」が話題の中心となる。橋下徹に期待する、といってもそれは全面的賛成ではなくて, 是々非々なんだ…

フクシマ事故の教訓を活かすための「事故調査」を

フクシマ事故が初動の対応で躓き、被害が拡大したのはなぜか?それは東京電力、原子力安全・保安院、原子力安全委員会といった 原子力関係において責任を負うべき、判断をすべき 事業者・官庁・学者が「原子力業界の利権を守るためのナアナアの共同体」でし…

良い競争、悪い競争

日本社会は閉塞感に覆われ、経済が低迷し、政治が停滞している。「失われた20年」と言われるが、正確に言うと、「失われた15年」だろう。15年前の1997年には橋本行革路線の元、公共事業がカットされ、消費税増税。山一證券、北海道拓殖銀行の破綻。四大証券…

橋下・維新の会とは何か

久々の更新である。 前回更新が2010年4月、鳩山政権なのだから、ずいぶん昔のように感じられる。 あれから1年半。鳩山政権は倒れ、菅政権が発足するも、消費税増税を争点に参議院選挙に挑んで敗北。 その後、TPP参加、普天間基地の辺野古移設など、自民党政…

冷戦終結と日本の混迷

前回のエントリーでは冷戦が終結した1990年代前半までの日本政治をおさらいした。では、冷戦期の日本を取り巻く国際政治、国内経済、自民党政治はいかにして日本の「黄金時代」をもたらしたのだろうか。 冷戦期の国際政治と高度経済成長 まず、国際政治では…

政治の混迷、日本の混迷

久しぶり、今年はじめての更新である。 昨年は総選挙で民主党が大勝し、鳩山政権が発足した。「子ども手当」「高校授業料無償化」「後期高齢者医療制度見直し」「郵政民営化見直し」など、福祉軽視・経済成長重視の自民党政治の修正を掲げたマニフェストへの…

格差社会を生み出すもの

はてなダイアリープラスに加入してアクセス解析を眺めていると、「格差社会」というキーワードで訪れる人が多いことが分かった。なので、格差社会について改めて考えてみたい。テーマは「格差社会を生み出すものはなにか」である。 結論からいうと、IT化(…

「ネット右翼」の危機

はてなブックマーク - J-CASTニュース : 政権交代で「ネット右翼」危機? 2ちゃんねるでも潮流変化か 先の衆院選で自公政権は大敗、民主党が308議席を獲得し、政権交代がまもなく実現することになる。ネット上ではながらく「ネット右翼」が幅を利かせてきた…

自動車はなぜ売れないのか 「憧れ」から「手段」へ

自動車の販売台数が年々低下しているという話題をよく耳にする。自動車メーカーの幹部も頭を抱え、日本市場を捨てて海外市場に活路を見出そうとしているようである。そもそも、自動車が売れないのはなぜか。 自動車が憧れだった時代 マイカーが普及する以前…

「1Q84」を楽しく読む

嫌いな理由を語ることは容易いけれど、好きな理由を語ることはむずかしい。 小説はただ楽しみのために読むのであって、その理由を言葉にするやいなや、楽しみに含まれるさまざまな心の動きのほとんどが、削ぎ落とされてしまう。村上春樹の小説はとくに、語り…

グローバリゼーションは地方都市に何をもたらすのか

リチャード・フロリダ「クリエイティブ都市論」(ダイヤモンド社)を読んで、グローバリゼーションに思いを巡らせる。クリエイティブ都市論―創造性は居心地のよい場所を求める作者: リチャード・フロリダ,井口典夫出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 20…

「ポスト戦後社会」を読み解く

吉見俊哉「ポスト戦後社会」(岩波新書)を読む。ポスト戦後社会―シリーズ日本近現代史〈9〉 (岩波新書)作者: 吉見俊哉出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2009/01/20メディア: 新書購入: 8人 クリック: 57回この商品を含むブログ (50件) を見る 岩波新書の「…

1970年代 自民党の派閥抗争とは何だったのか

沢木耕太郎『危機の宰相』を読み、自民党の歴史に興味を持ったので、北岡伸一『自民党』(中公文庫)、福永文夫『大平正芳』(中公新書)の二冊を読んだ。自民党―政権党の38年 (中公文庫)作者: 北岡伸一出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2008/07/01メデ…

「危機の宰相」

沢木耕太郎「危機の宰相」(文春文庫)を読む。危機の宰相 (文春文庫)作者: 沢木耕太郎出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/11/07メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 32回この商品を含むブログ (26件) を見る 池田勇人「所得倍増」を巡るルポルタージュで…

拝金主義の隘路

アメリカ発の金融危機の影響は実体経済に波及し、深刻化・長期化の様相を呈してきた。それは、アメリカの金融業界や自動車業界の長期低落だけでなく、アメリカン・モデルの崩壊をも意味する。 バブル崩壊の後遺症に苦しむ日本を横目に、アメリカはIT・金融…

知的であるための「構え」

内田樹「子どもは判ってくれない」(文春文庫)を読む。 子どもは判ってくれない (文春文庫)作者: 内田樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/06/01メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 21回この商品を含むブログ (82件) を見る 大衆受けのよい「分りやす…

経済成長の幻想

リーマン・ブラザーズ破綻からもうすぐ二ヶ月。金融不安で株価は暴落し、円・ドル以外の通貨も急落した。金融立国の理想国家と持て囃されたアイスランドの経済は破綻した。連鎖的な金融機関の破綻、金融市場の麻痺による金融商品の価値暴落、インターバンク…

「生きづらさ」について

雨宮処凛、萱野稔人『「生きづらさ」について』(光文社新書)を読む。「生きづらさ」について 貧困、アイデンティティ、ナショナリズム (光文社新書) [ 雨宮処凛 ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 文庫・新書 > 新書 > その他ショップ: 楽天ブックス価格:…

格差社会問題・・・不毛な議論を打開するために必要なこと

格差社会・・・「勝ち組」「負け組」に二極化した社会・・・への関心がここ数年で急激に高まった。いかにして格差社会を是正するのかという問題は小泉政権末期以降の主要な政治的課題になっている。そこでは、何をもって格差社会とするのか、かつての社会は平等社…

「ゆとり教育」の再評価がそろそろ必要だ

教育と名のつくもの・・・人権教育、道徳教育、平和教育、愛国教育、家庭教育、社員教育etc・・・はたくさんある。教育問題を語るには第一に「誰(教育する側)が誰(教育される側)に対して何を(教育するのか)」を明確にしないと、議論の収拾がつかない。ここで…

経済・教育問題のメモ

社会の在り方を考えると、経済の問題に行きつく。経済問題とは大まかにとらえれば、生産(労働)と消費(生活)の在り様をめぐる問題になる。 封建社会の経済活動・・・農村共同体内部での生産と消費。自給自足。非商品生産。 市場経済の経済活動・・・企業・工場…

だめ!

90年代末にちょっとしたムーブメントになった「だめ連」。最近ではめっきり聞かなくなった。検索してみても情報がほとんど出て来ない。そういうわけで図書館でだめ連編「だめ!」(河出書房,1999年)を借りて読んでみた。なんで今更「だめ連」なのか。格差社…