ナナメヨミBlog

旧ナナメヨミ日記。Blogに移行しました。

2015-01-01から1年間の記事一覧

内田義彦「読書と社会科学」(岩波新書,1985年)

このブログは「ナナメヨミ日記」というタイトルで読書を通じて政治経済社会を考えることをコンセプトにしています。そうなれば当然、読書とは何か?本をどう読むか?という問題はつねにつきまといます。今回紹介する本は内田義彦「読書と社会科学」(岩波新…

藤田弘夫「都市の論理」(中公新書、1993年)

大阪都構想・大阪ダブル選挙・橋下維新の問題を考える切り口として、前回は関西ローカルメディアの内情についての本を紹介した。今回は「都市」をめぐる問題を巨視的に考えるきっかけとして藤田弘夫「都市の論理」(中公新書、1993年)を紹介したい。 都市の…

松本創「誰が『橋下徹』をつくったか」(140B、2015年)

大阪ダブル選挙から1週間が過ぎた。吉村新市長・松井知事は「都構想」再挑戦を表明し、住民投票否決によって解散した「府市統合本部」に代わる「副首都推進本部」を設置する方針である。「市民切り捨て、住民自治壊し」が本質の「都構想」はなんとしても止…

「反維新」「オール大阪」の総括と今後の展望について

前回に引き続いて大阪ダブル選挙について考える。選挙後、報告集会に参加する機会があった。そこで口々に語られたのが「反維新」「オール大阪」陣営は「訴えにくさ」を抱えながら選挙を戦っていた、ということである。維新陣営が「過去に戻すか、前に進める…

大阪ダブル選挙を総括する〜なぜ「反維新」「オール大阪」は敗れたのか

昨日11月22日、大阪市長選挙と大阪府知事選挙の「大阪ダブル選挙」の投開票がおこなわれ、市長は吉村洋文(大阪維新推薦、新人)、知事は松井一郎(大阪維新推薦、現職)が当選し、大阪維新が「2勝」する結果に終わった。投票が締め切られた午後八時にN…

大阪ダブル選挙の争点とゆくえ

いよいよ大阪ダブル選挙(大阪市長・大阪府知事選挙)がスタートした。大阪市民である私は定期的に大阪維新・橋下政治の問題について取り上げてきたので、ダブル選挙について触れないわけにはいかない。今回の選挙の争点、そして今後の大阪の政治のゆくえに…

大阪経済の活性化をどうするか

大阪ダブル選挙の争点は大阪維新の政治手法、大阪都構想の是非である。一方で大阪経済をどうやって活性化させるかについては、自民・維新両者ともに巨大開発・インフラ整備や国際的イベント(万博やスポーツイベント)を掲げているため、大きな違いがない。…

中野晃一「右傾化する日本政治」

右傾化する日本政治 (岩波新書)作者: 中野晃一出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2015/07/23メディア: 新書この商品を含むブログ (14件) を見る 今回、紹介するのは中野晃一「右傾化する日本政治」(岩波新書,2015年)です。1980年代以降の日本政治を「新右派…

加藤嘉一・原田曜平「これからの中国の話をしよう」

安保法案は強行採決されてしまい、マスコミは「一億総活躍」「アベノミクス第二章」などと「安保の話はもう終わった。これからは経済だ!」と政権べったりの報道になっています。しかし、安保法案をめぐる問題はまだまだ掘り下げる必要があります。とくに私…

安保法案をめぐる論点の整理とこれから

本日未明(2015年9月19日)、安保法案は参院本会議で可決・成立した。今回の安保法案は日本の自衛隊が海外で活動できる範囲を飛躍的に広げる。憲法9条で認められていない集団的自衛権を解釈改憲という「裏口入学」(憲法学者・小林節)によって可能…

維新はこれからどうなるのか

大阪都構想の住民投票から1ヶ月以上が過ぎました。維新の会はどうなるのか?について記事を書きたかったのですがなかなか考えがまとまりませんでした。住民投票敗北直後の維新は意気消沈、今にも雲散霧消しそうな雰囲気でしたが橋下氏は安倍首相・菅官房長官…

「大阪都構想」住民投票を総括する

久々にブログを更新します。 前回記事「グローバル化時代の政治」で現代の日本政治の枠組み、見取り図を示しました。その後、沖縄知事選、突然の解散総選挙、統一地方選挙と選挙が続き、沖縄での反基地闘争・オール沖縄の選挙での勝利はインパクトがあったも…