ナナメヨミBlog

旧ナナメヨミ日記。Blogに移行しました。

コロナ禍の中小自営業者

 またもや1年ぶりのブログ更新になってしまった。私の仕事は中小自営業者の経営支援や相談であるため、年末から3月までが忙しい上に、コロナ禍によって4月以降も忙殺され続けた。無利子融資、持続化給付金、自治体からの支援制度、家賃支援給付金、保険料減免など自営業者・中小企業支援の諸制度が次から次へと出てきて、その手伝いに追われることになった。自営業者というのは自己責任の世界であり、病気やケガ・収入減少・老後などの保障は貧弱である。今回のコロナ禍では、自営業者向けの支援策が次々と出てくるので、私の仕事は忙しくて辛い一方で、ありがたいとも思う。

 自営業者というと「商店街の個人商店」というイメージを持つ人もいるかもしれない。八百屋、魚屋、肉屋、雑貨屋といったモノを売る商売である。しかし、産業構造・社会の変化によって小売・卸売の自営業者は多くが廃業に追い込まれた。スーパーやコンビニ、ユニクロなどの専門店が取って代わった。いまの都市部での自営業者の中心は飲食店やサービス業といった業種である。大企業・チェーン店の進出も著しい業種だが、個人経営・中小企業ならではのサービスを提供することで存在感を発揮している。

 そこを直撃したのがコロナ禍である。中小自営業者ほど対人接触の多い飲食業やサービス業が多く、緊急事態宣言・外出自粛要請の影響をもろに受けた。生存に必要とされる商品・サービスを提供する大企業はコロナ禍においても売上減少が微減にとどまり、業種によっては逆に売上を伸ばしているのとは対象的である。もちろん、航空や鉄道、旅行業、外食産業などコロナ禍が直撃した大企業も多々あるとはいえ。

 中小自営業者はそんななかでも支援制度を活用してなんとか生き延びている。しかし限界も近づいている。コロナ禍がいつ終わるのか、まだ出口は見えてこない。もっと追加的な支援がなければ、中小自営業者の「心が折れる」瞬間が来てしまう。それがとにかく心配でたまらない。