ナナメヨミBlog

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令和の政治を分析する~続く「新保守層」の時代

 ブログの更新がまったくできていない。4月の統一地方選挙の総括も不十分なままである。このブログでは政治動向・選挙、そして大阪の政治にかんする記事を主に書いてきた。ときたま書評や趣味の話も書くが、読書をしてもそれを記事としてアウトプットするにはパワーがいるので進まない。

 さて新天皇が即位し「令和」に改元された2019年。京アニ放火のような異常な犯罪や相次ぐ台風被害などで、先行き不安・混乱の時代を思わせる昨今である。政治では安倍政権が7年目に突入しているが、相変わらずの安定ぶりである。「アベノミクス」というけれど大企業が儲かり株価が高止まりする一方で、物価高で実質賃金は下がって家計はますます厳しくなっている。追い打ちをかけるように消費税10%増税社会保障も小手先の「改革」だけで国民の不安は根強い。経済と社会保障という国民生活に直結する問題で成果が出ているとは言い難いにも関わらず支持率は安定している。熱狂的に支持されているわけではないが、それなりの支持を保っている。

 おなじように大阪では維新の支持率が高い。こちらも橋下が市長鞍替えや住民投票に打って出たときのような熱狂的な空気、勢いがあるわけではない。しかし安定した支持・得票で選挙に勝ち続けている。

 この状況をどうみるか、分析するには私が2012年頃に書いた一連の分析が手がかりになる。それは政治勢力を「旧保守」「新保守」「革新」という3つに分類し、それに対応するのはどういう国民かを考えた論考である。私はそこで現在は「新保守層」の時代であると規定し、維新の会をその決定版的な存在であると分析した。一方で組織・資金に難のある「新保守層」の政党は土着の保守勢力と新興宗教勢力などと結託せざるを得なくなる、そこが弱点だと考えた。

 この2012年の分析の枠組みは、令和になった2019年現在でも十分に通用するものだと考えている。「新保守」を支える組織・団体として新興宗教を挙げたのも間違ってはいない。だが「新保守」支持の中核になったのは「ナショナリズム」「反・反日」といった排外主義・戦前的な価値観への回帰であり、「新保守」勢力が政治権力を掌握することで、官僚組織・行政そのものが「新保守」の根拠地として機能することとなった。その点の分析が欠落していた。

 それでは次回で、2012年以降の政治動向をこの分析の枠組みを用いて考察していきたい。