ナナメヨミBlog

旧ナナメヨミ日記。Blogに移行しました。

週1回はブログ更新します

仕事に忙殺されながらも、空いた時間でいろいろと読書をしている。もちろん、政治の問題についてもいろいろと報道を見ながら考えている。コロナ禍、資本主義の危機、日本の長期的ビジョン、沖縄、東アジアの歴史、世界システム、大阪。とりとめもなく書いた…

コロナ禍の中小自営業者

またもや1年ぶりのブログ更新になってしまった。私の仕事は中小自営業者の経営支援や相談であるため、年末から3月までが忙しい上に、コロナ禍によって4月以降も忙殺され続けた。無利子融資、持続化給付金、自治体からの支援制度、家賃支援給付金、保険料減…

令和の政治分析2~「新保守層」が新自由主義&国家主義を後押しする~

「旧保守」「新保守」「革新」の3つを軸にした政治分析について、8年前に記事を書いたが、4年前にも改めて「新保守層」にターゲットを絞った記事を書いた。そこでは、中野晃一「右傾化する日本政治」(岩波新書)で用いられた「旧右派」から「新右派」へ…

令和の政治を分析する~続く「新保守層」の時代

ブログの更新がまったくできていない。4月の統一地方選挙の総括も不十分なままである。このブログでは政治動向・選挙、そして大阪の政治にかんする記事を主に書いてきた。ときたま書評や趣味の話も書くが、読書をしてもそれを記事としてアウトプットするに…

大阪ダブル選挙、市会・府議会選挙を終えて

ナナメヨミ日記あらためナナメヨミBlogになりました。はてなダイアリーの機能停止で移行しました。移行後初の記事です。当ブログは2008年開設以来、毎年最低1本は記事を投稿していたのですが、昨年2018年は初めて投稿無しとなりました。結婚式やら収入補填の…

自民党圧勝を前にして野党のとるべき戦略とは何か? 2017年10月22日衆議院選挙の分析(その2)

衆議院選挙の分析について、選挙期間中にもいろいろな記事を書こうかと考えていたが、選挙活動の支援に忙殺され考える時間もなく終了してしまった。選挙になるといつも、ああしよう、こうしようというアイデアだけは浮かぶのだが、目の前の仕事でいっぱいい…

民進党解体劇の背景とリベラルの再生にむけて 2017年10月22日衆議院選挙の分析(その1)

安倍首相の突然の解散によって衆議院選挙が行われることになった。小池百合子が希望の党を設立、民進党は前原代表が全候補者の公認を取り消して希望の党への合流をめざし、対する希望の党は民進党出身者を「選別」する意向を示したため、民進党リベラル派の…

オルタナティヴな生き方を考える…「その日暮らし」の人類学

「その日暮らし」の人類学 もう一つの資本主義経済 (光文社新書)作者: 小川さやか出版社/メーカー: 光文社発売日: 2016/07/14メディア: 新書この商品を含むブログ (15件) を見る アフリカで「その日暮らし」に明け暮れる人々は一見、「いい加減」「怠けてい…

グーグルアナリティクスを導入する

私のブログでは「はてなブログ」アクセス解析を導入していましたが、今月でサービス終了になるのでグーグルアナリティクスを導入しました。いろいろなデータがあって全然使いこなせてないのですが、記事別のアクセス数をみると大半が4年前のグローバリズムv…

モノとの付き合い方

モノとどうやって付き合うか。私は革靴趣味を通じて考えさせられた。これまでは安物を使い捨ててばかりいた。モノに対する意識・関心は低く、知識もなかった。高級革靴を買って日々のお手入れをすることでモノに対する意識が高まり、知識も増えた。そして、…

革靴趣味の話

私は最近になって革靴に興味を持つようになった。スーツを着て仕事するサラリーマンにとっては革靴は当たり前だが、私の職場は服装に関して特に決まりはない。だから革靴ではなくマジックテープ式のスニーカーを履いていた。けれど、外回りの飛び込み営業や…

社会保障の基本は「公助→自助→共助」である

前回記事で「老後のお金」について考えたが、老後の生活を支える基本は公的年金である。そして医療・介護では公的な医療保険・介護保険をベースにしている。日本の年金・医療保険制度で老後の費用の大半はカバーできる。しかし、少子高齢化で財政破綻、年金…

「老後のお金」を考える

老後の生活をどうするか?多くの人にとって切実な問題だ。老後にゆとりある暮らしをするには夫婦で毎月36万円必要という調査もある(生命保険文化センター「生活保障に関わる調査」2010年度)。それだと、65歳から90歳までの25年間で1億円以上もかかってしま…

菅野完「日本会議の研究」(扶桑社新書、2016年)

日本会議の研究 (扶桑社新書)作者: 菅野完出版社/メーカー: 扶桑社発売日: 2016/04/30メディア: 新書この商品を含むブログ (53件) を見る 前回に続いて「日本会議本」である。著者の菅野氏は森友問題で籠池氏に食い込みインタビューに成功、籠池氏の代理人の…

青木理「日本会議の正体」(平凡社新書、2016年)

日本会議の正体 (平凡社新書818)作者: 青木理出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2016/07/08メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見る 森友学園問題でも話題になった右派団体「日本会議」。海外メディアからは「極右団体」「日本を牛耳っている」と…

井手英策「経済の時代の終焉」(岩波書店、2015年)

経済の時代の終焉 (シリーズ 現代経済の展望)作者: 井手英策出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2015/01/30メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 序章 さまよう「公」と「私」 第一章 私たちはどのように新自由主義に飲み込まれたのか? 第二章…

麻田雅文「シベリア出兵」(中公新書、2016年)

シベリア出兵 - 近代日本の忘れられた七年戦争 (中公新書)作者: 麻田雅文出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2016/09/16メディア: 新書この商品を含むブログ (9件) を見る 近代日本の戦争といえば、日清・日露戦争、満州事変から日中戦争・太平洋戦争の話…

吉川洋「人口と日本経済」(中公新書、2016年)

人口と日本経済 - 長寿、イノベーション、経済成長 (中公新書)作者: 吉川洋出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2016/08/18メディア: 新書この商品を含むブログ (17件) を見る 日本の政治・経済での主要な論点に、少子高齢化・人口減少で経済成長・財政・…

なぜ鳥越俊太郎は負けたのか?

みなさん御存知の通り、7月31日投開票の東京都知事選挙で野党統一候補の鳥越俊太郎は134万票の得票で敗れた。当選した小池百合子は291万票。次点は自公推薦の増田寛也で179万票。公示直前に鳥越氏が出馬表明したときには、直近の参院選の野党票と与党票が拮…

2016年参院選総括

今回の参議院選挙について当ブログなりの総括をしたい。今回の選挙は改憲勢力が(憲法改正発議に必要な)参議院の三分の二を占めるかどうかが注目された。結果は改憲勢力が三分の二を超えることになった。この「改憲勢力」という言葉が曲者で、改憲賛成の無…

参院選の争点と展望

今回の参議院選挙について何が争点か、そして今後の政治がどう展開していくのか考えてみたいと思います。争点について世論調査で上位にあるのは「景気・雇用」「社会保障」といった生活に直結するテーマです。今回だけでなく常に生活に直結するテーマは争点…

新保守層とは何か? 現代日本政治の分析

1980年代以降の日本政治を動かしてきた新保守層とはどういう人たちなのか、どういう特徴があるのかを分析することで現代日本政治の分析をしてみたいと思います。地域団体や業界団体など利権政治・しがらみの政治に代表される旧保守、都市部労働者や貧困層を…

日本政治の展望〜「新保守層」を切り口に〜

4年前にこのブログで「新保守層」という切り口で日本政治を分析しました。新保守層の時代 - ナナメヨミ日記 新保守層と橋下・維新の会 - ナナメヨミ日記 新保守層の閉塞感と新自由主義改革の「利害の一致」をただせ - ナナメヨミ日記 地域共同体や業界団体を…

消費税増税延期でみえた「選挙以前の問題」

参議院選挙投票日まであと1ヶ月です。参議院選挙の争点、展望について書こうかと思っていましたが、「それ以前の問題」があるはずなのに、誰にも指摘されていないのが気にかかったので、今回は「それ以前の問題」について書こうかと思います。 それ以前の問…

熊本地震で考えたこと

今年初めてのブログ更新です。昨年は5月の都構想住民投票、11月のダブル選挙と地元・大阪の選挙が相次いだので維新批判をテーマにした記事が中心でした。とくに松本創「誰が『橋下徹』をつくったか」の書評記事は著者本人のツイッターで言及されたことも…

内田義彦「読書と社会科学」(岩波新書,1985年)

このブログは「ナナメヨミ日記」というタイトルで読書を通じて政治経済社会を考えることをコンセプトにしています。そうなれば当然、読書とは何か?本をどう読むか?という問題はつねにつきまといます。今回紹介する本は内田義彦「読書と社会科学」(岩波新…

藤田弘夫「都市の論理」(中公新書、1993年)

大阪都構想・大阪ダブル選挙・橋下維新の問題を考える切り口として、前回は関西ローカルメディアの内情についての本を紹介した。今回は「都市」をめぐる問題を巨視的に考えるきっかけとして藤田弘夫「都市の論理」(中公新書、1993年)を紹介したい。 都市の…

松本創「誰が『橋下徹』をつくったか」(140B、2015年)

大阪ダブル選挙から1週間が過ぎた。吉村新市長・松井知事は「都構想」再挑戦を表明し、住民投票否決によって解散した「府市統合本部」に代わる「副首都推進本部」を設置する方針である。「市民切り捨て、住民自治壊し」が本質の「都構想」はなんとしても止…

「反維新」「オール大阪」の総括と今後の展望について

前回に引き続いて大阪ダブル選挙について考える。選挙後、報告集会に参加する機会があった。そこで口々に語られたのが「反維新」「オール大阪」陣営は「訴えにくさ」を抱えながら選挙を戦っていた、ということである。維新陣営が「過去に戻すか、前に進める…

大阪ダブル選挙を総括する〜なぜ「反維新」「オール大阪」は敗れたのか

昨日11月22日、大阪市長選挙と大阪府知事選挙の「大阪ダブル選挙」の投開票がおこなわれ、市長は吉村洋文(大阪維新推薦、新人)、知事は松井一郎(大阪維新推薦、現職)が当選し、大阪維新が「2勝」する結果に終わった。投票が締め切られた午後八時にN…