ナナメヨミBlog

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フクシマ事故の教訓を活かすための「事故調査」を

 フクシマ事故が初動の対応で躓き、被害が拡大したのはなぜか?それは東京電力原子力安全・保安院原子力安全委員会といった 原子力関係において責任を負うべき、判断をすべき 事業者・官庁・学者が「原子力業界の利権を守るためのナアナアの共同体」でしかなかったことに一番の問題がある。彼らは、原子力業界の利権を守るためには 積極的に動くが、原発事故の情報収集やら分析・対策・意思決定をする能力もなければ意思もない。だから、東電は原発からの撤退を言い出して、保安院は何もせず、原子力安全委員長は「再臨界の可能性はゼロではない」などと学者的な物言いで決断・責任を 回避した。

 誰かが意思決定して責任を負うべきなのに、だれもその役目を負わない。だから、専門知識があるわけでもない菅首相が意思決定せざるを得なかった。それで失敗したのを首相の責任に押し付けるのでは、本来責任を負うべきだった事業者(東電)、規制官庁(経産省保安院)、専門家(安全委員会)を免責することに なりかねない。事故調は「福島事故の責任をだれになすりつけるか」で調査するのではなくて、「次の事故を起こさない・被害を最小化するにはどうすればいいのか」という観点で調査しないと この事故の教訓が次に生きない。