ナナメヨミBlog

旧ナナメヨミ日記。Blogに移行しました。

読書

「1Q84」を楽しく読む

嫌いな理由を語ることは容易いけれど、好きな理由を語ることはむずかしい。 小説はただ楽しみのために読むのであって、その理由を言葉にするやいなや、楽しみに含まれるさまざまな心の動きのほとんどが、削ぎ落とされてしまう。村上春樹の小説はとくに、語り…

グローバリゼーションは地方都市に何をもたらすのか

リチャード・フロリダ「クリエイティブ都市論」(ダイヤモンド社)を読んで、グローバリゼーションに思いを巡らせる。クリエイティブ都市論―創造性は居心地のよい場所を求める作者: リチャード・フロリダ,井口典夫出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 20…

「ポスト戦後社会」を読み解く

吉見俊哉「ポスト戦後社会」(岩波新書)を読む。ポスト戦後社会―シリーズ日本近現代史〈9〉 (岩波新書)作者: 吉見俊哉出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2009/01/20メディア: 新書購入: 8人 クリック: 57回この商品を含むブログ (50件) を見る 岩波新書の「…

1970年代 自民党の派閥抗争とは何だったのか

沢木耕太郎『危機の宰相』を読み、自民党の歴史に興味を持ったので、北岡伸一『自民党』(中公文庫)、福永文夫『大平正芳』(中公新書)の二冊を読んだ。自民党―政権党の38年 (中公文庫)作者: 北岡伸一出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2008/07/01メデ…

「危機の宰相」

沢木耕太郎「危機の宰相」(文春文庫)を読む。危機の宰相 (文春文庫)作者: 沢木耕太郎出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/11/07メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 32回この商品を含むブログ (26件) を見る 池田勇人「所得倍増」を巡るルポルタージュで…

拝金主義の隘路

アメリカ発の金融危機の影響は実体経済に波及し、深刻化・長期化の様相を呈してきた。それは、アメリカの金融業界や自動車業界の長期低落だけでなく、アメリカン・モデルの崩壊をも意味する。 バブル崩壊の後遺症に苦しむ日本を横目に、アメリカはIT・金融…

知的であるための「構え」

内田樹「子どもは判ってくれない」(文春文庫)を読む。 子どもは判ってくれない (文春文庫)作者: 内田樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/06/01メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 21回この商品を含むブログ (82件) を見る 大衆受けのよい「分りやす…

「生きづらさ」について

雨宮処凛、萱野稔人『「生きづらさ」について』(光文社新書)を読む。「生きづらさ」について 貧困、アイデンティティ、ナショナリズム (光文社新書) [ 雨宮処凛 ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 文庫・新書 > 新書 > その他ショップ: 楽天ブックス価格:…

だめ!

90年代末にちょっとしたムーブメントになった「だめ連」。最近ではめっきり聞かなくなった。検索してみても情報がほとんど出て来ない。そういうわけで図書館でだめ連編「だめ!」(河出書房,1999年)を借りて読んでみた。なんで今更「だめ連」なのか。格差社…