ナナメヨミBlog

旧ナナメヨミ日記。Blogに移行しました。

「弱い国民」がいかにして立ち上がるか

 安倍政権の支持率は相変わらずの高止まりである。秘密保護法、消費税増税集団的自衛権容認、安倍政権が押し進める政策すべて世論調査では反対が賛成を上回っている。にもかかわらず、支持率は一時的な下落はあってもまた回復し、5割前後という高い水準にある。
 この高支持率の背景にあるのは「国民の弱体化」である。長期不況が常態化し、コミュニティ・人の繋がりが薄れたいまの日本では、「日本というシステム」しか頼るものが無い。だから、「国家の危機」「財政の危機」を大義名分にされると、国民は強く反対することができない。「しょうがない」となってしまう。「日本というシステム」が機能不全を起こしてしまえば、「平和」「社会保障の充実」などすべて吹っ飛んでしまう。だから、「日本というシステム」を壊さないためにも、集団的自衛権、消費税増税など受け入れないといけない、これがいまの世論の中心にある。「国民の財産、権利」を手放すことを国民に強要する政治がまかり通っている。
 このような政治を認め続けたら、消費税は際限なく増税され、労働者の権利は奪われてただ働きが常態化し、兵役に駆り出されて戦争に巻き込まれる。そこまでして「日本というシステム」を守らないと国民は生き延びられないのか。私はそうは思わない。国民が自分を守るために必要なのは「システム」を延命するために自己犠牲を積極的に受け入れることではない、「システム」を突き放して個人の力、コミュニティの力を強くすることしかない。
 個人の力、コミュニティの力を強くするためにはインターネット・情報技術は非常に有効である。だけれども、情報技術というのは権力が国民を監視・統制するツールにもなりうる。スマホを自在に操っていたつもりが、いつのまにかスマホ依存になり、「携帯増税」を「しょうがない」と受け入れるようになってしまえば、権力者の思うつぼである。手持ちのアイテムを上手に使いこなすことが重要になってくる。
 一国の政治はその国の国民のレベルを反映している。権力のいいなりにならないために個人の力を強くすること無しに、政治的意見の表明、民主主義は機能しえないのではないか。民主主義を草の根から鍛え直す、そのために国民ひとりひとりが力をつけることが、国民が社会をよりよくするために必要なことだと痛切に感じる。