ナナメヨミBlog

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参院選総括メモ

追記

自民党安倍政権は高支持率をキープしているにも関わらず比例票は1800万票にとどまる。投票率は52%。無党派層というのは「保守政治の利益分配ネットワーク」から漏れている人たちなので、自民党を積極的に支持する強い動機が無い限り、わざわざ自民党を支持しない。2000年代以降で見ても2005年郵政選挙だけが例外で、それ以外では無党派層が積極的に支持した形跡はない。参院選・政治不信が重なって投票率が低迷したが、2009年総選挙並の投票率69%まで上昇すれば、あらたに1800万票が加わることになる。自民党の得票数に等しい票がどこに流れるか?で政治が決まる。

公明党については触れなかったが、大阪選挙区で70万票割れというのは注目に値する。国政では自民党とくっつき、大阪市議会では維新の会と協力する「コバンザメ」と化しているので、平和・福祉といった政策軽視によりコアな支持層が離れているのではないか?もしくは、組織力そのものが衰退し「テレビ政治」の維新に支持を奪われているのか?全体では衆院選比で得票を伸ばしているが。

共産党は「低投票率での勝利」と言われるが、比例が150万票近く伸び、無党派層に限っては、自民党や維新の会と拮抗する支持を得ているところからして、かならずしも「低投票率・組織票」のおかげだとは言えない。

民主党の溶け具合は酷い。「自民党政治の利益分配ネットワーク」から漏れた都市部リベラル層・無党派層の支持が厚かったが、それらはほとんど自民党や第三極、左派政党に逃げるか棄権に走った。今回は加えて、肝心の組織票も溶けはじめた印象。各地で連合組合員の選挙運動ボイコット・サボタージュが起きたと聞く。無党派層も裏切り、肝心の支持者も裏切って「自民党政治もどき」に走った民主党の罪は重い。経団連アメリカと官僚の言うことを聞いておけば地位は安泰だと勘違いしたのが、菅直人であり野田佳彦だった。「自民党とは違う政治」を求めた有権者をないがしろにした民主党は、あらゆる層から見放されつつある。

・維新の会は関西圏とそれ以外で得票率に大きな違いが出たのが特徴だ。関西メディアの影響力の強さを思わせると同時に、関西以外では組織もなければ議員もおらず、まったく活動していない政党がメディアによる持ち上げだけで昨年総選挙であれだけの得票を全国的に得たというのは恐ろしい話だ。凋落というよりこれが「本来の姿」といってもいいかもしれない。